財務改善道場

2018.09.29

図表で実践!「SWOT分析~クロス分析」

 

前回の「これまでの「売上げ至上主義」から「必達利益達成」へ。企業生き残りのためのヒント。」という記事で、どのようにして(生き残り戦略)を作るのか?・・・というお話をしました。

 

この問題をまとめるのに最適の考え方・図表をご紹介します。
それは「SWOT分析~クロス分析」と呼ばれるものです。
経営者は考え始めると、その考えるボリュームや範囲が大きすぎて、立ち止まったり、堂々巡りに陥ったりする事があります。その時、この図表を使うことで、これらを回避できるという訳です。

SWOT分析からクロス分析

ここには記入用紙とサンプル・SWOT分析表を作るに当たっての留意点、を書いたモノを添付しております。参考にしてください。

 

【資料①】 SWOT分析からクロス分析への記入表.pdf
【資料②】 SWOT分析からクロス分析記入例.pdf

 

【資料③】 SWOT分析のチェックポイント.pdf
【資料④】 SWOT分析のチェックポイント記入例.pdf

 

SWOT分析の作り方は下記のとおりです。

  1. 会社を取り巻く要因を「外的」と「内的」に分けて考えます。
  2. この「外的要因」を2つに分けます。(チャンスとピンチ)
  3. さらには「内的要因」を2つに分けます。(強みと弱み)
  4. この4カ所に記入が終わったら、これらを縦・横にクロスさせます。
  5. このことで「外的なチャンス × 自社の強み」という最強の戦略を決めます。
  6. 次に「外的なチャンス × 自社の弱み」で、上記の取りこぼしを防ぎます。
  7. ここで「外的にはピンチだが ×  自社の強み」で、これをモノに出来たら、これは大きな差別化を得る事になりますが、相当なエネルギーが必要と言われています。

 

会社が今後の目標に向かう際に大切なことは、(B)図にあるように、

  1. まずは自社の現状を洗い出す。(強み・弱み・置かれている環境など)
  2. 次に向かうべきゴールを作る。(目標・ビジョンなど)
  3. この2つのギャップをはかり確認する。
  4. そこに達するための「方法・手段・人選など」を策定する。
  5. ゴールに到達するまでの「期間」を決める。

 

ここまで来て、会社の(方針・方向性)が確定することになり、自信を持ってスタートできます。

 

改善のための工程表

【資料⑤】 改善のための工程表(1年用).pdf
【資料⑥】 改善のための工程表(5年用).pdf

 

SWOT~クロス分析で、自社が今後手をつける内容に優先順位をつけて、この表に記入します。これに従って、今後の行動がなされていきます。逆に、ここに書かれていないことや、優先順位が低いモノに手をつけない様に、管理者はしっかりと見ていく必要があります。いつまでに・誰が・どのように・どのレベルまで・・を記入してスタートです。

 

 

損益分岐点売上の考え方

「一体いくら売れば収支がトントンになるのか?」
「今の売上は、果たして安全なのか?」
それを知るための指標が【損益分岐点売上】で分かります。

 

【資料⑦】 損益分岐点売上図表の考え方.pdf

 

この分岐点の右側に売上高があれば黒字であり、分岐点の左側にあれば赤字です。
分岐点の右側に今の売上があれば、分岐点との差(幅)が操業安全度と呼ばれます。逆に今の売上が分岐点の左側にあれば、分岐点との差額を埋める必要があります。(あといくら?)という訳ですね。

 

しかし損益分岐点を超えて黒字でも、会社は資金ショートする場合があります。その理由は【減価償却費+税引き後利益】と【借入金・ローンの返済】がバランスしているかどうかで決まります。借入金・ローンの金額が多い場合には、たとえ損益分岐点売上はクリアしていても、それ以上の資金流出が起きていますから、いずれ会社の資金は目減りしていき、最終的には資金不足に陥り、経営の危機を迎えます。

 

このような事態にならない為には、【損益分岐点売上高】よりも、【収支分岐点売上高】を見ていた方が良さそうです。別名「資金分岐点売上高」とも言われています。借入などの返済をまかなう為には、一体いくらの売上高が必要なのか・・・が目安となります。

 

しかし、日本の中小企業の70%は赤字企業と、国も発表しています。損益において赤字の企業が、さらに返済金までまかなえる売上・利益を出すことは、相当な困難が待ち受けていると想像出来ます。そこで私たちキャッシュフローコーチは、キャッシュをまかなう為の仕組み作り・資金繰り改善を提唱しているのです。

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