財務改善道場

2019.11.05

財務地質改善道場(BS編③)

キャッシュフロー計算書を図にしてみると
(図5)

1:営業キャッシュフロー(営業活動で得られたキャッシュ)

商売上の取引によるキャッシュの流れを把握します。
仕入~在庫~売上~諸費用の一連の営業活動を通じて、どれだけのキャッシュを獲得したかを示します。

(キャッシュがプラスになる要因) (キャッシュがマイナスになる要因)
①税引前当期利益
②減価償却費
③売掛債権の減少
④在庫の減少
⑤割引手形の増加
⑥買掛債務の増加
⑦その他
①法人税などの支払い

②売掛債権の増加

③在庫の増加

④割引手形の減少

⑤買掛債務の減少

⑥その他

2:投資キャッシュフロー

将来の利益獲得や資金運用のために、どのような投資と回収をしたかを見ます。

企業の今後の投資計画を見る上で、重要な情報源です。

(キャッシュがプラスになる要因) (キャッシュがマイナスになる要因)
①定期制預金の解約や払い戻し

②有価証券の売却収入

③固定資産の売却収入

④貸付金などの回収

⑤その他

①定期制預金への預け入れ

②有価証券の購入

③固定資産の購入

④貸付金などの発生

3:財務キャッシュフロー

どの程度の資金が調達され、または返済されたかを示します

(キャッシュがプラスになる要因) (キャッシュがマイナスになる要因)
①借入金の増加

②増資などの増加

③その他

①借入金の支払い

②配当金の支払い

③その他

 

キャッシュフロー計算書は、図のように3つの部門に分かれて表示されます。
1が営業活動で得られたキャッシュを表示します。
2が今後の投資の為にどれだけキャッシュを回したかを表示します。
3がどのような資金繰りをしてきたかが表示されます。

 

仮に営業キャッシュフローがマイナスであったり、投資キャッシュフローが多すぎて資金繰りに支障をきたした場合には、新たな資金調達が必要になります。
その分が財務キャッシュフローに表示されることになります。

 

企業は、決算の度ごとに貸借対照表や損益計算書ばかりでなく、このキャッシュフロー計算書を作る事で1年間のお金の流れを見ることができます。

 

企業の経営危機の最大のものは、資金繰りの悪化によるものでしょう。
経営者は、損益ばかりでなく、常に資金繰りに注目する必要があります。

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